映画エウロパを観た感想。

■こんな人におすすめ

映画「リング」とか「着信アリ」を観た
ホラー好き

■こんなシチュエーションで

友達やカップルで

映画エウロパを観た感想。

俺はどんな映画も好きで古今東西の映画はなんでもござれで喰ってきたと思う。
その中でも特に好きなのはSF映画で、もっとフェチなことを言わせてもらえばファーストコンタクト系が大好物である。

知らない人のために言っておくと、ファーストコンタクト系とは地球人と宇宙人との初の接触をテーマにした映画。
最近だとえげつないほどのクオリティで騒がせた「メッセージ」だとかスピルバーグの「未知との遭遇」。

結論から言うと、この映画は地味だ。地味なのだがあまりにもリアルに迫りすぎていてドキュメンタリーだと錯覚させてくれる。
その錯覚は、未知の土地(木製のエウロパ)で困難に陥った実録的映像と、宇宙探査に出た宇宙飛行士やNASAの職員のドキュメンタリー的映像との交差にあるんだ。

ちなみに、こういった架空の事実をドキュメンタリー風に表現した映画を「モキュメンタリー」と呼んだりする。
豆知識な。

この映画はほかの大作SFと違って低予算。だからモンスターとの接触も一瞬でその姿は少ししか拝めない。
だからこそ、リアルだ。と思わせる気迫を感じさせるね。

まず、エウロパに到着するまでが一年半とかなり長い。
しかもエウロパでのミッションはそれに比べてかなり短く、この差がキツく感じる人もいるかもしれない。

ただ、ここは待ってみよう。
映画はみんなを楽しませてくれるわけだが、中には焦らすのが好きでたまらん映画もいるのだ。
その焦らしに耐えることのできた君たちは、エウロパの神秘的な映像を拝むことができる。

作中でエウロパの美しさに思わず息をのむ科学者のシーンがあるんだが、その気持ちもわかるほどの美しさだ。

ここで少し脱線すると、実はSF映画ってやつは矛盾してることがおおいジャンルでもあるんだ。
どうしてここのシーンは物理法則を無視しているのか?なぜ彼らはその技術を扱えるのか?なんてね。

そういった疑問は映画を濁すことになる。つまり、面白くないじゃん!と印象を植え付けることになるんだ。

だけど、この映画は面白い。なぜならそういった疑問を持たせることがないから。
実直で、丁寧に構成を作り上げているから、非常にリアルなつくりになってる。

映画「ゼロ・グラヴィティ」で熱狂した人におすすめしたいね。
この映画は有名な役者もほとんど出てこないし、ビームガンで戦ったり銀河を超える旅もない。

その代わりに、宇宙オタクが子供のころ考えていた緻密な妄想を、素敵な大人たちが映画にしてくれたような素晴らしさがある。
地味、なのにロマンがある。

素敵だな。