■こんな人におすすめ
心にグサっとくるドラマが好き
リアルなアニメが好き
■こんなシチュエーションで
一人でじっくり
映画「しわ」を観た感想。ザ・ノンフィクション的な心の刺さり方。
俺はときどき、漠然と老後について考えることがある。
老後といえる年齢までどれくらいかは人それぞれだろうが、この映画は誰の心にも刺さるに違いないぞ。
ちなみにスペンイのアニメーション映画だ。
主人公のエミリオはかつて銀行の部長していたエリートでビシバシ働いてたんだが、老いてボケがひどくなってしまう。
介護しきれない家族は老人ホームに。
同室になったミゲルってじいさんは老人ホームでやりたい放題。ほけた老人たちを口車に回して金を搾取していくんだ。
エミリオはそういった行為を嫌悪していたし時に叱っていたんだが、なんだかんだ二人は仲良くなる。
だが、入居した冬にはもうエミリオのボケがひどくなっていき。
誰にでも訪れる「老い」。この映画の老人ホームに入居している老人たちはみんな家族と離れて暮らしているんだがみんな理由は一緒。
だれも老人とは一緒に暮らしたくないから。きっついよな。
本当は老人と暮らしたくないんじゃなくて、自分の老いを自覚たくないから追い出してしまう。そんな気がしたね。
みんな老いる、死ぬ。けれどそれを秒間隔で意識しながら生きてるってことはないよな?だいたい考えないことにしてるだけ。
こんな日曜ドキュメンタリーみたいな重いテーマのストーリーがずっと続くわけで、気晴らしに見ようって人にはおすすめできないな(笑)
でもさ、この映画を通してどんな風に人と接していけばいいのか、そういったことは学べるはずだ。
ミゲルってじいさんは老いのことを笑い飛ばして周囲を元気づけるし、この映画に出てくるばあさんは元気なんだが夫のために一緒に入居してる。
エミリオは自分は老人なんかではない、とボケていく意識のどこかで考えている。
老いていくことはどんな風に生きていくのかを考えさせてくれるきっかけってことかもな。
なんだかしんみりしてしまったけど、この映画で笑えるのは前述したミゲルじいさんの一挙一動そのもの。
見逃せないシーンはラストにも隠されている。この映画はただ老けるのってイヤよね、じゃないぜ。ってのがわかる構成になってるんだ。
実はこの映画、俺は全く知らずにひょいっと借りてきた作品なんだが、マンガ・アニメ好きにはかなり有名な映画らしい。
上京して両親と離れて暮らしてるそこの君、ちょいと借りてみることをおすすめする。