ザ・ランドロマット パナマ文書流出を観た感想。知らなった世界を知れたアハ体験。

■こんな人におすすめ

実話をもとにした映画が好き

■こんなシチュエーションで

一人でじっくり

以下、ネタバレ注意

ザ・ランドロマット パナマ文書流出を観た感想 / 知らなった世界を知れたアハ体験

数年前に、パナマ文書が流失して全世界が震撼したってニュース覚えてるだろうか?

俺も当時、ニュースを見てすげぇなとは感じたが、実際どういうことなのかはよくはわかってなかった。
この映画は「パナマ文書の流失」ってのを内側から見てみましょう、な話。

俺も経験があるんだが、保険の契約書だの保証書をキチンとしまっていざというときに使おうと思うと
「申し訳ございませんがお客様の条件では適用されません」こんなセリフ、言われたことはないだろうか?

そういった法律の抜け穴を使って、うさんくさい会社を信じられないほど作って人をだますのが、実はビジネスではよくあるらしい。
架空の会社、架空の口座、架空の人物。愛する人を旅行中の船の事故で亡くした主人公のエレンも、そういったビジネスの餌食にされたんだ。
船舶会社の入ってた保険は架空の会社のもので、まったく金が降りてこない。ゆえにエレンにも金が入らない。

この映画は一本のストーリーというより、うさんくさい大物ビジネスマン二人が狂言回しになって、違法取引の餌食になった人々をショートストーリーで紡いでいく。
そのショートストーリー群の中心がエレンと、狂言回しの二人ってわけ。

映画で気になったのは、狂言回しの二人は詐欺の中心人物なんだが、劇中では「金ではなく人の心が悪い」と諭し続けていること。
確かにそうかもな、だが人の心は弱いもんなんだから弱みに付け込むんじゃなく、励みにならんとな。

スティーブン・ソダーバーグらしい実話をもとにした超が付くほど丁寧な構成は◎。
画づくりに定評のあるソダーバ-グ、セットもロケーションも絵画を見てるようだ。

ラストには華麗などんでん返しも用意されてる。みんな大好きなどんでん返しだが、狙った感じが出てなくオシャレ。
そのどんでん返しこそが、「パナマ文書流失」なんだ。

俺は古い映画をかなり見てきて、主人公のエレン演じるメリル・ストリープの変遷を追ってきたがやはりきれいだな。
もちろん高齢ではあるが、品格と善良さのある美しい老い方だ。

この映画は「ウルフ・オブ・ストリート」好きにおすすめしたいね。
もちろん、あれほどパワフルではないぞ(笑)こっちはエレガントでそして大胆な映画だ。

狂言回しの二人はスペンインの名優・アントニオ・バンデラスとレオンで悪人役を演じて当時話題を呼んだゲイリー・オールドマン。
映画が好きなオタクはわかるだろうが、この二人のセットがみられるって相当オイシイ。

ちょっと小難しい映画かもしれんが、抜群の面白さだ。
ちなみにこれはネットフリックス映画。ネットフリックスでこんないい映画を見ることのできる時代がとうとう来たな。