映画「ペイチェック」を観た感想。まさかのディック×ジョン・ウーのミラクルSFアクション。

■こんな人におすすめ

気軽なアクション映画で楽しみたい

■こんなシチュエーションで

カップルや友達、家族と

映画「ペイチェック」を観た感想。まさかのディック×ジョン・ウーのミラクルSFアクション。

そういえば、ドラえもんが嫌いだという人を聞いたことがない。
ピンチになれば未来の道具で救い、困難にも友情で立ち向かう彼らの冒険をスクリーンで初めて見た時は、子供ながらに胸に来るものがあったもんだ。

そのドラえもんの魅力といえばやはり未来の道具だろう。未来にはこんなものがあるのかとワクワクさせられる。

この映画はそんなハイカラな道具は登場しないが、頭の使い方次第ではドラえもんと匹敵するクレーバーな道具がたくさん登場する。

主人公は最高の技術スパイであるマイケル。ある製品の技術を盗み取り報酬(ペイチェック)をいただく稼業なのだが、莫大な報酬の代償は技術に関する記憶の放棄であった。

親友の社長から仕事を依頼され、いつものように仕事に取り掛かり、仕事を完了させると記憶が消されていた。そこまでは普通なのだが、約束された90億円が消え、謎の道具が自分から自分あてに送られていた。

マイケルも観客も?が頭に浮かぶのだが、ここからがすごい。ジョン・ウー節全開のアクションに加え、六角レンチやアインシュタインの切手といったなんでもないガラクタ同然の道具が映画に華を添えていく。

アクションも十分に楽しめるし、わかりやすくも飽きない展開とシチュエーションはラストに向かっても理がっていく。

で、この映画を見終わった後に知ったのだが、原作はまさかのフィリップ・K・ディック。ディストピア世界を緻密に描くディックとは対照的な作り、ではあるが存分に楽しめるぞ。

なぜ、序文にドラえもんを話題に出したかたといえば、主人公であるマイケルが道具の入ったA4サイズほどの封筒にガサゴソと手を入れて探している様がまさにドラえもんなのだ。

マイケルの失われた3年のキーとなり、恋人役としても登場するのがレイチェル役をユマ・サーマンが好演。アクションシーンもあり、やはり「キル・ビル」が重なってしまうが、美しさにはかわりはない。

冷血な大企業家をアーロン・エッカートがしっかり演じ切る。エッカートの顔はなんだがそれだけで説得力があるな。

気軽に楽しめるし、エッチなシーンや過度な流血シーンもないので家族でも楽しめる映画。
誰でも楽しめる娯楽映画は重宝する、気楽な作品で盛り上がりたいそんな時におすすめしたい映画だなという印象だ。